朝鮮の民話として教科書に取り上げられている三年とうげ。
小学3年生、光村図書出版の国語の教科書に掲載されています。
12月上旬に扱う教材で、
「組み立てをとらえて、民話をしょうかいしよう」という扱いになっています。
最後の歌の歌い手やナイスなトルトリの言葉
あらすじや教科書と絵本の違いなども紹介します。
三年とうげのあらすじ
三年とうげには、三年とうげで転ぶと三年しか生きられない
という言い伝えがありました。
ある日の秋
おじいさんが、となり村へたんものを売りに行ったかえりに
とうげを通りました。
日がくれそうになり、足を急がせます。
もちろん気を付けながら。
しかし、石につまづいて転んでしまいました。
じゅみょうが3ねんしかないと
その日からご飯も食べずにふとんにもぐりこみ
ついには、病気になってしまいました。
医者を呼んだり、薬を飲ませたり、
おばあさんはつきっきりで看病しました。
しかし、おじいさんの病気はどんどん重くなるばかりで
村の人たちもみんな心配しました。
ある日、見舞いに来た水車屋のトルトリが来て
もう一度三年とうげで転ぶようにつたえました。
トルトリの言うことになっとくした
おじいさんは、トルトリの言うことを実行して
すっかり元気になり、
おばあさんと二人
幸せに、長生きしたそうです。
どんなアドバイスをしてくれたのでしょう。
三年峠教科書と絵本の違いは?
漢字表記が学年配当の漢字に変更されている部分はありますが、
絵以外は、ほとんど変わらないです。
細かいことを言えば、
おじいさんが三年とうげで転んで
帰ってから布団にもぐりこむところ
絵本では
ふとんにもぐりこみ、ごはんもたべずに、びょうきになってしまいました。
となっているのが
教科書では
ごはんもたべずに、ふとんにもぐりこみ、
とうとう病気になってしまいました。
となっていて、心配不安から本当の病気に移行してしまったというのが
教科書では分かりやすく表現されたのかなと思います。
もう一点、
絵本にある最後の3行が教科書では省略されているのでした。
こちらの方が、内容にも関係ある違いだなと思います。
ネタばれ含みますので、
実際絵本を見たい方は
次の小見出しのところは飛ばしてくださいね。
最後歌ったのは誰かが書かれているのは絵本
最後の場面。
絵本では、
「えいやら えいやら えいやらや。
一ぺん転べば 三年で、
十ぺん転べば 三十年、
百ぺん転べば 三百年。
(以下略)」
と歌ったのは、
トルトリであったことが書かれています。
教科書では、
だれだったのでしょう
と読者にその考えをゆだねる形で終えています。
誰が言ったのか自分なりに考えを膨らませて
友達と考えを共有してから
絵本の読み聞かせで終わるというのもありかもしれないですね。
さんねん峠の伝えたいことは
病は気から
とか
その人の受け止め方、考え方しだいで変わってしまう
とか
噂、言い伝えに流されず、まずは自分で考えよう
などのことが考えられるかなと思います。
とにかく、食もとらずに落ち込んでしまったら
そりゃあ病気になってしまいますよね。
物事を考える時表と裏の面をとらえて考えること
そんな考え方の大切さにも気付かされますね。
おじいさんを元気にしたトルトリの言葉は?
一度転ぶと、三年生きるんだろ。
二度転べば6年、三度転べば9年…
何度も転べば、ううんと長生きできるはずだよ。
なるほど!と思わず子どもたちも納得する
トルトリのアドバイスですね。
三年とうげおすすめ発問
①物語を四つの場面に分けましょう。
(起承転結がはっきりしているので
場面分けにも適していると思います。)
②おじいさんは、どうしてびょうきになったのでしょう。
③気持ちが変わったのは、どこかな?
④どんなところがおもしろかったですか?
三年とうげと同様の伝説が日本にも!
清水寺への参詣道にある三年坂でも、
転ぶと三年で死ぬという伝説(迷信)があるという話があるそうで、
子ども向けの京都昔話集のようなものにもこの伝説は収録されているそうです。
京都付近ではある程度知られた伝承のようですね。
他の都県にもお寺が近くにある坂に、
似たような伝説がある坂も見られるそうです。
死なないためには土を三度舐める(ふりをする)というのもありました。
これは偶然なのか、
中国生まれの話が日本と韓国へ伝わってきたのか
日本の民話が韓国へ伝わったのか…
歴史的な背景が含まれているのかもしれない
実は深いお話(教科書教材?)なのかもしれませんね。
さんねん峠の登場人物や出版社など
著者 | 李錦玉作 朴民宜絵 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版年月日 | 1981年2月10日 |
ページ数 | 27ページ |
定価 | 1320円 |
対象年齢 | 5歳から |
登場人物 | おじいさん おばあさん トルトリ |
小学校3年生で掲載されている本は
こちらで紹介しています。
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