2024年の中学年(3・4年生)向け課題図書、じゅげむの夏。
今年、第71回産経児童出版文化賞JR賞も受賞した作品です。
幼馴染4人の男の子、そのうち一人が筋ジストロフィーを患っていて
体が徐々に動かなくなっていってしまうのです。
そんな男の子たちの今しか経験できない夏の冒険の話です。
自分たちで決めて、
行ってみたい所、知りたいこと、やってみたいことに挑戦し
一つ一つやり切っていく
日常で経験できそうな話ですが
今の4年生、特に都会にいる4年生にはうらやましい光景かもしれません。
そんなじゅげむの夏のあらすじや感想、
読書感想文を書く時のコツなどをお伝えしていきます。
じゅげむの夏のあらすじ
山ちゃん シューちゃん かっちゃん ぼくの4人は、
同じ集落から学校へ通う4年生。
保育園の頃からの仲間です。
4年生は、全部で9人。
かっちゃんは、筋ジストロフィーと言って
筋肉がだんだんやせていく病気で、
保育園の頃は一緒に走り回っていたけれど
今ではうまく走れなくなってしまいました。
だんだん病気は進んでいくこと、
歩けなくなっていくこと、
おとなになっても長くは生きられないことも
みんな何となく知っています。
だから、集合場所は自然とかっちゃんの家になりました。
いつものように
夏休み初日から4人は集まって話していると
勝っちゃんは
4年生の夏休みを最高の夏休みにしようと言い出します。
そして、4年生の夏は冒険をする!と決まりました。
というより、かっちゃんが提案したのだけれど…
そんな、4年生の4人の冒険物語。
じゅげむの夏の感想
人生でたった1回しかない4年生の夏。
どんどんできないことが増えていくかっちゃんにとっては、
色々なことができる夏はそう多くないのかもしれません。
親の手も離れてきて、子どもだけであちこち行くのに、
友だちと協力しながら出かけるのに、
4年生というのは、いいタイミングなのかもしれないです。
かっちゃんの、冒険したいという望みを
きっと、他の3人もかなえてあげたいし
そして、子どもだけの秘密をもちたい
そんな自分たちで何かができるわくわく感と友情を
感じる作品でした。
親から離れて、そろそろ仲間意識も芽生え、
そして、少しずつ自分たちでできるという経験をつかむ時期。
私も子どもの頃を思い出し、
ちょっと自転車に乗って遠い川まで行ったり
公園まで行ったり、
友だちとそんなことをして遊んでいたことを思い出しました。
いまでは、もしかしたら禁止されてしまうようなことも
そういえば、昔子どもたちはやっていたよなぁと
伸びやかさと生命力を感じる話でした。
そして、自分たちでやり切った感満載の
なんとも清々しい気分にさせてくれる本でした。
今を楽しんで、今を生きているそんな充実感と躍動感が残りました。
今を生きる、楽しむことの大切さを改めて感じさせられます。
また、友達関係についても考えさせられます。
かっちゃんに対して、特別扱いはせず
当たり前に接している3人が
幼馴染だからこそなのでしょうが
えんりょもない間柄なのがとっても自然で素敵でした。
とはいえ、いい塩梅で、サポートしているのも
お互いを信頼し合っているからこそできることだなと思いました。
かっちゃんも、自分の病気に明るく受け入れている
そんな自然体の4人の友情がうらやましかったです。
みんなが、それぞれを受け入れて生活できたら
どんなに生きやすい世の中になるのだろうと
思いを巡らせました。
じゅげむの夏の名言や伝えたいことを考察
夏休みはもっと大切なことをする休みだよ
夏休みの宿題に早々に取りかろうとしていたぼくに
山ちゃんがかけた言葉。
勉強より大切なことをこの本ではたくさん教えてくれている気がします。
確かに、夏休みは自分で決めた大切なことに時間を使いたいなと思いました。
無我夢中でやれば、道はひらける
熊吉さんが子どもたちに言った言葉です。
この夏の冒険も子ども達に(とくにかっちゃん)通って
無我夢中で過ごした夏だったのだろうなと思います。
きっと、中学年くらいの子どもたちには一生懸命打ち込みたいことありますよね!
私は…どうだろう。
これから無我夢中で取り組みたいことまた見付けていきたいです。
じゅげむの夏の読書感想文を書くコツ
登場人物たちと同じ中学年の夏休みの課題図書になりますね。
感想文を書くコツ1 夏休みについて感想を書こう
自分は、どんな夏休みを過ごしたのか
比べてみたことを書いてみるといいですね。
どんな、冒険がありましたか?
または、どんな冒険をしてみたいですか?
感想文を書くコツ2 友情について感想を書こう
このお話に出てくる4人は、
小さいころからの仲間です。
友だちのことをよく理解していて
そして認め合っています。
病気をもっている友達にも分け隔てなく、
当たり前に接しています。
そして、助けが必要と思われるところには
自然と手を差し伸べている。
そんな、素敵な友達がいますか?
周りには、どんな素敵な友達がいますか?
そんな友達とのエピソードと登場人物たちから感じた友情について
比べながら書くこともできますね。
感想文を書くコツ3 夢について感想を書こう
筋ジストロフィーのかっちゃんは、
歩けなくなっていったり
おとなになってからも長く生きられないかもしれないのですが
一番やりたいこと、なりたいものをもっていました。
落語家になりたいという夢をかなえるために
練習もしています。
そんなかっちゃんと自分を比べながら
夢について書いてみることもできそうですね。
じゅげむの夏の登場人物や出版社、対象年齢など
著者 | 最上一平作 マメイケダ絵 |
出版社 | 佼成出版社 |
出版年月日 | 2023年7月30日 |
ページ数 | 128ページ |
定価 | 1650円 |
対象年齢 | 中学年から |
登場人物 | 山ちゃん シューちゃん かっちゃん ぼく 熊吉 |
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