東京書籍小学校1年生の国語の教科書に登場する「サラダでげんき」。
いつから教科書に掲載されていたのか
また、その魅力や
この絵本を手がけたビックなお二人についても紹介していきます。
「サラダでげんき」簡単なあらすじ
りっちゃんのおかあさんが病気になってしまいました。
何かいいことをしてあげたい。
げんきになるようなことをしてあげたいといっしょうけんめいかんがえて
おいしいげんきになるサラダを作ることにしました。
れいぞうこから、きゅうり、きゃべつ、とまとを切ってお皿にもりつけました。
そこにのらねこ、いぬ、すずめ、あり、うまがやってきて
サラダに入れたらいいものを
それぞれの効果とともにアドバイスしてくれます。
北極のシロクマからは電報が届き、
アフリカゾウが飛行機でやってきて手伝ってくれました。
みんなが手伝ってくれたおかげで、
お母さんはたちまち元気になりました。
「サラダでげんき」の教科書出版社と地域、いつから掲載?
1986年から現在まで
小1の東京書籍の国語の教科書に掲載されています。
地域については、教科書の採択は市町村が決めているので
日本全国で東京書籍を採用している地域で見られます。
東京都では、板橋区、葛飾区、三鷹市などが採用しています。
「サラダでげんき」の作者と挿絵は?
サラダでげんきの作者は、角野栄子(かどのえいこ)さん。
ジブリ映画と知られる「魔女の宅急便」は、
多くの方が知っていることでしょう。
翻訳も多数手がけていらっしゃいます。
角野栄子さんは、1935年、現在の東京江戸川区に生まれ、
20代前半まで北小岩で暮らしたそうです。
1960年ブラジルにご主人とともに2年間滞在。
1970年、ブラジル体験をもとに描いた
「ルイジンニョ少年、ブラジルをたずねて」で作家デビューしました。
ズボン船長さんの話で旺文社児童文学賞
おおどろぼうブラブラ氏で産経児童出版文化賞大賞
魔女の宅急便で野間児童文芸賞、小学館文芸賞、
IBBYオナーリスト・文学作品賞
1984年路傍の石文学賞受賞
2000年紫綬褒章受章
2014年旭日小綬章賞受章
2018年国際アンデルセン賞を受賞
ちなみに、国際アンデルセン賞というのは、
絵本の世界のノーベル賞に当たるものだそうです。
たくさんの賞を受賞されていて、
それほど大きく童話や絵本に影響を与えられた方だと考えられますね。
角野栄子さんの記事はこちらからも読めます。
サラダでげんきのさし絵は、長新太さん。
我が家の代表作は「キャベツくん」です。
が、おしゃべりなたまごやきの絵も長新太さんでした。
私が子どもの頃楽しんだ絵本にも関係があったとは…
長きにわたり、活躍されていたのが伺えます。
漫画家であり、絵本作家でもあります。
ナンセンスの神様の異名もあります。
1927年今の東京都大田区に生まれ蒲田育ちです。
1959年第5回文藝春秋漫画賞(おしゃべりなたまごやき)
1960年イタリア国際漫画サロン国際漫画賞
1969年東京イラストレイターズクラブ賞(よるわたしのおともだち)
1974年国際アンデルセン賞有料作品(おしゃべりなたまごやき)
1977年講談社出版文化賞絵本賞(はるですよふくろうおばさん)
1978年厚生省児童福祉文化奨励賞(ぼくのくれよん)
1982年絵本にっぽん大正(キャベツくん)
1984年小学館絵画賞(ぞうのたまごやき)
1986年絵本にっぽん大賞(さかさまライオン 文・内田鱗太郎)
1987年巖谷小波文芸賞
1990年路傍の石幼少年文学大賞(「トリとボク」「ヘンテコどうぶつ日記)
絵本にっぽん大賞(ふゆめがっしょうだん)
1994年産経児童出版文化省美術商(おはなし広場こんなことってあるかしら)
紫綬褒章受章
1999年日本絵本賞(ゴムあたまポンたろう)
2005年日本絵本大賞(ないた 文・中川ひろたか)
絵本や童話で有名なお二人がコラボした「サラダでげんき」
ぜひとも、教科書には描かれていない絵とともに堪能してもらいたい絵本です。
絵本「サラダでげんき」の魅力
ストーリーの魅力
定番の繰り返しにより展開されています。
でも、その繰り返しの技法が微妙に変化していきます。
その微妙なところを扱っても面白いなと思います。
もちろん、絵本としては、純粋にお話を楽しめばよいと思います!
まずは、ねこといぬがサラダに入れるといいものを教えてくれて
りっちゃんも「おしえてくれて ありがとう」
と返します。
つぎのすずめは、同じようにサラダに入れるといいものを
教えてくれますが
鳴き声が…
「みそらしど」
と入ります。
りっちゃんもお礼の後に
「どどしらそ」
と返事します。
次のありの時には
「ちょっとだけ」
と砂糖を入れます。
その後の馬では、すぐに次の電報がやってきて
少し話のリズムと展開が変わります。
食べようとしたときに像がやってきて
調味料をかけ、材料を混ぜ合わせてくれました。
登場人物が教えてくれたものを
「ありがとう」
と言いながら、すべて加えていき
最後にそれらを混ぜ合わせて
一品のサラダとして食べる。
きっと、それぞれの味が絡み合って
素敵な味のハーモニーを作り上げたのではないかなぁと思います。
絵の魅力
ピンクはオレンジ、背景の黄色と明るい色が目に飛び込んできます。
始めの見開き8ページは、
ドーンと真ん中に大きな家があり、
まったく同じ配置で動いていないのです。
りっちゃんが料理を少しずつ作っていく様子を
外の少し上の視点から窓の中を見るようにして
絵が描かれています。
ヒコーキがやってくるときは
その音と、大きさと色が
それまでの絵と違うことで迫力が増しているように感じました。
教科書だけにとどまらず、ぜひぜひ
絵本の絵を堪能してほしいなと思います。
サラダでげんきおすすめ発問・読んだ後にこんな問いはいかが?
①だれがどんなものを入れるといいと言っていた?
②なぜ、それを入れるといいよと言っていたのかな?
③あなただったら、どんなものを入れたい?
その、理由は?
できたら、その理由が、元気になるための理由だといいですね。
④登場人物について、教科書内で検討する場合は
おまわりさんとおかあさんは意見が分かれるところだと思うので
話し合ってもいいですね。
「サラダでげんき」の登場人物や情報
著者 | 角野栄子さく 長新太え |
出版社 | 福音館書店 |
発行日 | 1981年5月1日 こどものとも発行
2005年3月10日 こどものとも傑作集 |
定価 | 1100円 |
対象年齢 | 読んであげるなら3才 自分で読むなら小学校低学年から |
ページ数 | 32ページ |
登場人物 | りっちゃん のらねこ いぬ すずめ あり うま ぞう |
小学校1年生で掲載されている絵本については
こちらで紹介しています。
作者の角野栄子さんについてはこちらでも紹介しています。
令和6年度からの小学2年生の国語の教科書で取り上げられている
角野栄子さんの作品いすうまくんについてこちらで紹介しています。
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