小学1年生の国語の教科書に長年掲載されている「大きなかぶ」。
ロシアの昔話です。
登場人物の順番や最後に登場する「ねずみ」まで
子どもにも協力することの大切さが自然に伝わる
そんな「大きなかぶ」とはどんなお話でしょう。
簡単なあらすじや感想に加えて読み聞かせ中の問いや読後の問いなども紹介します。
「おおきなかぶ」国語教科書の扱いは?
最初に掲載されたのは、学校図書で、1954年(昭和29年)のようです。
以来多くの教科書会社で採用され続けています。
現在の国語の教科書4社すべてに掲載されています。
初期の国語指導に適していると考えることができますね。
1学期の物語文として扱われています。
「おおきなかぶ」のあらすじ
ある日おじいさんがかぶのたねをまき、
心をこめてそだてました。
大きな大きなかぶができました。
かぶは、大きすぎて一人ではぬけません。
呼ばれた人や動物が一緒に抜こうとするのですが
なかなか抜けません。
どんな人や動物がかぶをぬいたのでしょう。
本を読んで確かめてみてください。
「おおきなかぶ」の感想
このお話は、繰り返しのパターンで進むので
次を想像しやすく子どももすぐにお話を覚えてしまいます。
「うんとこしょ、どっこいしょ。」
の掛け声の大きさも、
登場人物が増えるにつれて大きく読むといいと思います。
初めてお話を聞いた子も
次は「うんとこしょ、どっこいしょ。」だと想像でき
一緒に読むと楽しいです。
また、掛け声の後の接続詞も微妙に変わっていき、絶妙です。
接続詞の違いも何となく分かっているようです。
(国語の勉強となると、そこは伝えますが。)
勉強以前に言葉に敏感になっていること
感覚的になんとなくでいいので
知っていることは大切なことだと思います。
話の内容も分かりやすいので小さなお子様にもおすすめの一冊です。
登場人物について
おじいさん、おばあさん、まご、いぬ、ねこ、
ねずみの順にそれぞれ呼ばれて
一緒にかぶをぬきます。
なぜ、力のある人でなく
だんだん力の小さい人や動物を呼んでいくのか
という点がおもしろいですね。
おじいさん、おばあさんが孫より力があるかというと、
疑問な点もありますが、
孫が女の子ということも考えると
力のある人から自分より力の小さい人を
呼んでいったと考えてよいのでは?
と思います。
最後に登場するねずみについて
最後にねずみが来てかぶをひっぱってぬいたということですが、
ねずみほどの力でぬけるくらいなら
みんなでもうひとがんばりしたらぬけるはずで
必要ないのでは?
と思ってしまうのですが
そんな小さな力でも必要だということなのでしょう。
みんなが、協力してそれぞれの力を最大限に出していたからこそ
あとちょっとの力
ねずみの力が加わって
かぶを抜くことができた。
と、考えることができますね。
小さな力、小さな存在も決して無駄ではなく
必要な存在であり、必要な力だということに
気付かせてくれるお話です。
「おおきなかぶ」データ・対象年齢
著者 | A・トルストイ 再話 内田 莉莎子訳 佐藤 忠良 画 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年月日 | 1966年6月20日 |
判型・ページ数 | 28ページ |
定価 | 1100円 |
対象年齢 | 読んであげるなら3歳から 自分で読むなら小学低学年から |
読んでいる途中や、終わってからの問い。こんなのはいかがですか?
おじいさん、おばあさんは、何と言いながら次の動物を呼びにいったかな?
(全部聞くのは、子どもたちも飽きてくるかもしれないので
おじいさんは一緒に考えて、
そのあとは自分が取り組みたい登場人物で考えさせてもいいですね。)
ねずみは、いなくてもよかったよね?
私は、この問いで話合わせた後、
天秤を用意して、
登場人物の体の大きさに合わせて粘土を丸め
片方に大きなかぶ(大きな粘土)
片方にそれぞれの登場人物に見立てたねんどを
子どもたちの
「うんとこしょ、どっこいしょ。」
の掛け声に合わせて置いていきます。
ねずみの小さい粘土を乗せたときに
天秤が傾く傾くと…
子どもたちから、大歓声が上がります。
小学校1年生で掲載されている絵本については
こちらで紹介しています。
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