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おにたのぼうし切ない結末を解釈。名言やぼうしについての考察も。小学校の教科書に掲載!

教科書

おにたのぼうしは教科書にも掲載されているので

知っている人も多いかもしれません。

改めて読むとなんともやるせなく切ない結末です。

作者のあまんきみこさんの作品は

作品が違えど、多くの教科書会社で取り上げられています。

また、いわさきちひろさんの優しい水彩画と相まって

お話をより切なくしています。

そんなおにたのぼうしの

簡単なあらすじやわたしなりの解釈、名言

題名の「ぼうし」についての考察などを紹介します。

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おにたのぼうし国語教科書会社と掲載学年

おにたのぼうしは、教育出版の3年生の国語の教科書に

「登場人物の気持ちのうつりかわりを読もう」として掲載されています。(R2年度版)

3月の教材なので、

3年生の学習のまとめ、

集大成として扱われているのだと考えられます。

それにしても、3年生でこのお話は解釈できるのでしょうか。

今回読み直してみて

なかなか難しいなぁと思いながら読みました。

ただ、その時々の

その人の読みを読者がすればいいので、

色々な読みがあってよいのですよね。

おにたのぼうしの簡単なあらすじ

おにはおにでも

気のいいくろおにのこどものまめた。

きょねんの春ころから

まことくんのいえの

ものおきごやの天井に住んでいました。

見えないように用心していたので、

まこと君とその家族は

おにたがしている親切には

気付いていませんでした。

節分の日、

ものおきごやにも節分の豆をまかれてしまったまめたは、

つのかくしのために麦わら帽子をかぶって出ていきました。

こなゆきがふるなか

おにたは、はだしで入れる家をさがします。

しかし、節分の日、

ひいらぎのはがどこのいえにもかざってあるので入ることができません。

ようやくまめのにおいもしない、

ひいらぎもない

トタン屋根の家をみつけました。

家から出てきた女の子がでこぼこの洗面器の中に

雪をすくって入れるている間に

おにたはそっとうちの中に入りました。

その家には病気で寝ているお母さんがいました。

お腹を空かせていないか心配するお母さんを心配させないように

食べたという女の子。

だいどころは乾いていて米粒一つないことに

おにたが気付き、

お腹を空かせている女の子のために

赤ご飯とうぐいすまめを持って行ってあげました。

しかし…

豆まきをしたいという女の子の言葉に

おにたは急にいなくなってしまい

後には…

おにたのぼうしの名言

(にんげんって おかしいな。

おには わるいって、

きめているんだから。

おににも、いろいろ あるのにな。

にんげんも、いろいろ いるみたいに。)

 

「おにだって、いろいろあるのに。

おにだって…」

おにたの悔しさや嘆きが伝わってきます。

始めと終わり

同じ意味合いの文章ですが

始めは心の中でのことば。

終末は声に出しての言葉です。

今までは隠れて人間に親切にしてきたおにた。

しかし、今回は、女の子を思って

直接食べ物を持って行ったおにた。

じかに女の子から

「あたしも まめまき、

したいなあ。」

 

「だって、おにがくれば、

きっと おかあさんの びょうきが わるくなるわ。」

という言葉を聞いて

静かな憤りや悔しさを感じ

思わず声に出してしまったのかなと思います。

でも、その声は女の子には聞こえないほどの小さな声だったところに

何とも切なくなってしまいます。

言葉で言ってしまったほど

嘆き、悲しみ、怒り…

色々な感情が入り混じったおにたの思いが伝わります。

 

ぼうしについての解釈

古い麦わらぼうし。

つのかくしのぼうしです。

角を隠すことで

人間とつながりを持つことができたのでしょう。

だからこそ、粉雪のまう日でも

麦わら帽子をかぶって外に出て

麦わら帽子をかぶって

女の子の前に表れることができたのです。

悪い鬼ばかりではないと言いながら

角をかくさないと人間に出会うことができないおにた。

人間とかかわりを持ちたい鬼他の思いの現れかもしれないですね。

おにたのぼうし結末の解釈。(発問にもおすすめ)

結末のおにがたいなくなり、

ぼうしだけがのこり、

そのぼうしの下に

黒豆が残る場面。

解釈は分かれるところだと思います。

おにたが豆になった

または、

おにたが豆を置いていなくなった。

子どもたちに問うならどちらだと思うか

その考えを交流することもできますね。

 

わたしは、

わざわざおにたについて「黒い鬼」と書かれているので

おにたが黒豆になってしまったのではないかと考えています。

 

いなくなったと考えるにしても

鬼としてのまめたを人間の世界で存在させていたのは

古いむぎわらぼうしだったと思うので、

その麦わら帽子を置いて行ってしまったということは

もう、人間の世界には表れないのではないかと思えます。

 

さて、そのまめを

女の子は嬉しそうに

「まあ、くろいまめ!まだあったかい…」

「さっきのこは、きっとかみさなだわ。」

といって豆をまき始めます。

女の子が悪いわけではなく

素直な女の子の気持ちではあるのでしょうが…

女の子が無邪気に言えば言うほど

なんだかやるせなくなっていきます。

そういう意味では、知らないことの

残酷性や悲劇を感じざるを得ないです。

 

最後の場面では、

女の子の姿もなくなり

ぱら ぱら ぱら ぱら

ぱら ぱら ぱら ぱら

と、しずかなしずかな豆まきの音だけが残り

その後訪れるであろう

無・悲しさをより感じてしまうのは

わたしだけではないのでしょうか。

おにたのぼうしの感想

自分の中にも、

うわさや聞いただけで実際確かめていないことで

思い込んでいたり、

偏見や差別をしていることがあるのではないか

と思いました。

真実を実際に確かめることなく

噂だけで判断することは

相手を傷つけてしまいます。

知らない

分からないことは

罪だなぁと思いました。

優しいおにたの気持ちを考えると

本当にやるせない何とも言えない

気持ちの行き場のない

悲しいお話でした。

おにたのぼうしの登場人物や出版社など

著者 あまんきみこ文  いわさきちひろ絵
出版社 ポプラ社
出版年月日 1969年7月
ページ数 32ページ
定価 1100円
対象年齢 読んであげるなら:3才から  自分で読むなら小学低学年から
登場人物 おにた まことくん おんなのこ おかあさん

小学校3年生で掲載されている本は

こちらで紹介しています。

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作者のあまんきみこさんについては

こちらで紹介しています。

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