長年光村図書の国語教科書の3年生に掲載されている
モチモチの木
その魅力やあらすじを短く紹介し、伝えたいことなどを考察します
もちもちの木の魅力
滝平二郎さんの絵
切り絵の迫力が素敵です。
モチモチの木がこんなふうに豆太には見えているのだろうな
と想像できます。
木の枝一つ一つに躍動感があります。
切りえならではなのかもしれないですが
豆太の「こわい」という感情も絵から感じ取ることができます。
黒を基調として展開されているので
モチモチの木にひがついているところの絵や
時々に使われている色が
より一層
読んでいる人の気持ちをワクワクさせてくれる気がします。
他にも斎藤隆介さんと滝平次郎さんのコンピの作品は有名なものや
教科書に掲載されているものもあるので
モチモチの木と比べながら読んでみるのも面白そうです。
もちもちの木の簡単なあらすじ
5才の豆太は臆病者。
夜中に一人でトイレにも行けず、
ぐっすり眠っているじいさまをおこし、
ついて行ってもらわないと行けません。
大きなモチモチの木が揺れて動いているのが
こわいのです。
モチモチの木という名前は豆太が付けました。
昼間はモチモチの木にえばれるけれど夜はまったく・・・
じさまにトイレで手伝ってもらっている時に
霜月20日の丑三つ時にモチモチの木に
ひがともるのがきれいだという話を聞きました。
山の神様のお祭りでもちもちの木に灯がともるのを
見ることができるのは、
勇気のある子どもだけなのだそうです。
ある晩じさまが腹を抱えて、くまのようにうなっていた。
医者様を呼んでこないといけないという一心で
豆太は夜道を急ぐのでした。
その後、無事に医者様を呼んできた豆太が見たものは?
その後、豆太はどうなったのでしょうか。
モチモチの木が掲載されている教科書会社、学年、いつから?
モチモチの木は光村図書出版の3年生の国語の教科書に
掲載されています。
最初に掲載されたのは、昭和52年でしたが、
次の改定の時から姿を消し
再掲載されたのは、
平成4年からで、それ以来掲載され続けています。
モチモチの木の名言
じぶんでじぶんをよわむしだなんておもうな。
にんげん、やさしささえあれば、
やらなきゃならねえことは、きっとやるもんだ。
それをみてたにんがびっくらするわけよ。
優しさだけに限らないかもしれないですが
相手を思う気持ちが大きな力を発揮するということを
教えてくれている気がします。
伝えたいこと
やさしさ
例え弱虫でも
相手を思う気持ちがあれば
ちゃんと力が発揮できる。
真の強さだなと思います。
登場人物それぞれに優しさが随所に表れている作品だと思います。
豆太は、じいさまのために、
それまでは、一人では出られなかった夜に外に出て
山道を医者様を呼びに行った。
医者様を呼んできた後は、いしゃさまのてつだいをして
かまどに巻きを食えたり、ゆをわかしたりと忙しく手伝っていた。
じいさまは、嫌な顔一つせずに夜、
熟睡中もトイレに連れて行ったり
(一つの布団を濡らされると困るということもあるでしょうけれど。)
本当の豆太の力を認めていたり、
そしてなにより大切にかわいがっているのが伝わってきます。
医者様はじいさまを助けるために、
年よりの医者様ではあったが
豆太を負ぶって峠道をじさまのまつ家にむかってくれた。
枠は自分で決めつけない
名言のところでも取り上げましたが
自分で自分を決めつけるのではなく
何かそこに思いがあればできると
言っている気がします。
隠れた力は
思いがあったら、
それに向かって頑張れるということを教えてくれます。
私の場合は、
今やりたいことがあるようなないような。
それに向かって動き出せないのは
相手意識がまだまだ薄いのか?
その思いが弱いのか?
そんなことをこの話を読みながらグルグル頭の中がループしています。
勇気
作品全体に「勇気」という言葉が使われているので
勇気は伝えたいことだと思います。
でも、やさしさとリンクしているので
広い意味で勇気を自分なりに考えてみました。
勇気があるかどうかは、行動によって表されているのだと思います。
それは、モチモチの木ではその行動の源は、やさしさ
だと思いました。
他にも、優しさだったり、恐怖だったり、愛情だったり
思いやりだったり、その人の思いや信念だったり…
勇気とは?ということについても
自分なりの考えを巡らせることができる
作品ではないでしょうか。
読んだ後は、ちょっと深い問いかけも
豆太は勇気ある子どもになれたのかな?
と聞いてみることで
その子の考えが聞けるかもしれません。
一人ではなく、色々考えを交流すると
考えは広がりますね。
家庭で読む場合は、お母さんやお父さんの考えとともに
交流できるといいですね。
モチモチの木の登場人物や出版社など
著者 | 斎藤隆介作 滝平二郎絵 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版年月日 | 1971年11月20日 |
ページ数 | 32ページ |
定価 | 1540円 |
対象年齢 | 小学校低学年~ |
登場人物 | 豆太 じさま 医者 |
斎藤隆介・滝平二郎コンビの別の話「花さきやま」については
こちらで紹介しています。
小学校3年生で掲載されている本は
こちらで紹介しています。
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