くれよんのくろくんの絵本は、
読み聞かせの絵本だけにするのは
もったいないと思えるほどです。
秀作絵本くれよんのくろくんは、
累計発行部数200万部を超える
くれよんのくろくんシリーズの第一作目であり、
代表作です。
そんな
くれよんのくろくんのあらすじや、
伝えたいことや結末を考察していきます。
また、名言も紹介します。
小学校で道徳や人権教育にもおすすめです。
くれよんのくろくんのあらすじ
新品のくれよんがありました。
ある日、たいくつになった黄色のくれよんが
画用紙を見つけそこにちょうの絵をかくと
花などが欲しくなり
ピンクやあかのくれよんをよんできました。
つぎつぎにくれよんがよばれ
がようしに絵をかいていきました。
しかし、くろくんだけはよばれません。
みんなからも、
くろくんは必要ないと言われ、
せっかくの絵にくろくされたらこまると言って
だれもなかまにいれてくれませんでした。
くろであることを悲しんでいるくろくんに
シャープペンのおにいさんがなぐさめてくれているあいだに
くれよんたちは
じぶんの絵を描くことにむちゅうになりすぎ
絵はめちゃくちゃになってしまいました。
その絵は、素敵な絵に生まれ変わることになるのですが
どんな仕掛けがあったのか
それは、本を読んでからのお楽しみ。
くれよんのくろくんの伝えたいこと
みんなちがってみんないい!個性の大切さ。多様性。
どんなもの(人)でも適材適所で
良いところがあり、
どんな人でも活躍できる
そんなことをくれよんのくろくんでは、
教えてくれいるのではないでしょうか。
私は、この絵本に出会ってから
低学年を担任したときは
毎回読み聞かせていました。
個性を知り、生かすのは、
自分だったり友達だったり先生や親だったりするのでしょうが
個性を素敵なものととらえ、
気付かせてあげるのも大人の大切な役目ですね。
私は、個性に目を向けて肯定的に人と関わっていたかなと
クレヨンのくろくんを読むと立ち返っていました。
そして、友達に対しても
みんないいところがあるんだということを
子どもに分かってもらえるそんな
メッセージを届けてくれる絵本ではないでしょうか。
それぞれの良さをお互い認め合い
足りないところを補い合って
生きていけたら素晴らしいと思いませんか?
そして、最後に
みんなが違った色を出しているからこそ
安心して出し合えるからこそ
最後に素敵なきれいな花火が出来上がったということに
子どもたちが気付いてくれたらうれしいですね。
小学校では、道徳の時間の個性伸長の最後のまとめとして
くれよんのくろくんを読み聞かせしてもよいですね。
教師の説話もいいですが、
私は読み聞かせも子どもの心に響いていくと思っています。
くれよんのくろくん結末を考察
このくれよんのくろくんの絵本では、
ほんのちょっとした日常に転がっていそうな
子どもの言動が
カラフルなくれよんたちの口から出てきます。
結果としてくろくんを傷つけているのですが、
きっと、カラフルなクレヨンたちは
それほどに深く考えず、
思ったことを
素直に言っているだけなのでしょう。
子どもたちの日常生活の中にも
そんな場面がたくさん見られますよね。
軽い気持ちで言葉に出したとしても、
言われた方は悲しくなったり
時には、
言われた言葉に対して、
暴力で訴えた反撃したりすることもあります。
そこからトラブルが生じたり、
自分を卑下したりするようになってしまいますよね。
そこには、大人の仲介も必要になります。
このくれよんのくろくんの
くれよんたちも
自分たちの言動の良くなかったことに気付き、
シャープペンのお兄さんに諭されます。
お礼を言うならくろくんにと言われ
素直な気持ちと言葉でくろくんに伝えます。
そんな無邪気な様子を
幼児さんなら
(くろくんの)悲しい思いにも
イジワルを言ってしまった(カラフルなくれよんたちの)ことにも…
自分と重ね合わせて読むことが
容易にできる絵本じゃないかなと思います。
カラフルなくれよんたちの立場に立って
つい言葉に出してしまうことの危うさなどを
考えてみることも必要かなと私は思います。
ともあれ、
最後は素直にくれよんたちがくろくんにあやまり、
くろくんも、自分の良さを知ることができたのが
良かったと思います。
くれよんのくろくんの名言
あっというまに、
おおきなはなびが、
いくつもよぞらにうかびました。
この場面の絵は子どもの目を引きますね!!
くろだからこそ、みんなの色が映えます。
そんなくろの生かし方ができた
シャープペンのおにいさんが素敵です。
「おっと、おれいならくろくんにいってくれよ。
はなびは くろくんがいたから できたのさ」
くれよんたちがお礼を言いに行ったとき
すかさずシャープペンのおにいさんが言った言葉です。
この言葉に
くろくんはどんなに誇らしかったでしょう。
私も落ち込んでいる子どもを
こんな風に、実際活躍させることができ
それを経験させられるおとなになれたらうれしいなと思います。
くれよんのくろくんを読んで子どもの反応
くれよんのくろくんの読み聞かせをすると、
くろくんに同情しながら
お話を聞いているようです。
最後、全部黒く塗られた後に
シャープペンのおにいさんがひっかいて出てきた
花火の鮮やかさに目を奪われる子も多いです。
あの花火が表れてくる場面が好きな子も多いですね。
私の娘は、絵を描くことが好きだったので
このお話を読むと
必ずと言っていいほど絵を描いていました。
そして、ひっかき絵(スクラッチ)をして楽しんでいました。
くれよんのくろくんを読み終わったら子どもに聞いてみたいこと
なんでぼくって、こんないろなんだろう……
みんなが楽しそうにどんどん絵を描いている時
くろくんは、どんなに悲しい気持ちでいたのでしょう。
自分の存在自体を否定している言葉ですね。
こんな悲しい気持ちになったりしたことはないか、
または、こんなくろくんにどんなことばをかけてあげるか
聞いてみたいなと思います。
くれよんのくろくんを読んでからやりたいこと
くれよんのくろくんを読んでからやりたいことと言えば、
書くまでもないかもしれませんが…
くれよんで絵を描くことです。
できるなら
スクラッチをすると楽しいですね。
根気がいるので小さい画用紙でかかせてもよさそうです。
くれよんのくろくんの登場人物や出版社など
著者 | なかやみわ さく・え |
出版社 | 童心社 |
出版年月日 | 2001年10月15日 |
ページ数 | 32ページ |
定価 | 1320円 |
対象年齢 | 3歳から |
登場人物 | くろくん シャープペンのおにいさん
きいろくん あかさん ピンクちゃん みどりくん きみどりさん ちゃいろくん おうどいろくん あおくん みずいろくん |
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