黒柳徹子さんは、YouTube「徹子のきまぐれTV」で
毎年終戦記念日近くに
黒柳徹子さんご自身の戦争体験について話しをされています。
去年(2022年)に、話した内容を絵本にしたのが
トットちゃんの15つぶの大豆です。
窓際のトットちゃんでは語られていない
小学校2年生のころのトットちゃんのお話です。
そんな、トットちゃんの15つぶの大豆のあらすじや感想
伝えたいことや魅力、名言などを紹介します。
トットちゃんの15つぶのだいずのあらすじ
戦争が始まったのは
トットちゃんが小学校2年生の時でした。
戦争が始まる前
トットちゃんは
飼い犬のロッキーも家の中にいられる
雨の日が好きでした。
パパもいる夕方
家は温かく、
明るく、
みんなで食事をするのを待っていることが幸せでした。
しかし、戦争がはじまると
そんな幸せはなくなります。
庭の防空壕に逃げたり
寝ることができなかったりするのです。
食べるものもなくなっていき
パパも戦争に行きました。
トットちゃんが通っていた
トモエ学園でのお弁当は
海のものと山のものを持って行きました。
海のものと山のものをもっていない子のお弁当箱の中に
校長先生の奥さんが足りないものを入れてくれるのでした。
しかし、戦争がはじまると
食べるものがなくなってしまって
海のものとか山のものとかどころではありません。
トットちゃんの食べ物も
だいずが15つぶだけになりました。
それは1日分の食事です。
学校に行くときに封筒に入れて持たせてくれます。
そのまめと水をのむと
豆が膨らんでお腹が膨らむというのです。
いつも
いつ、どれだけたべるか、残りは何粒か
封筒を覗いて確かめるのです。
学校に行っても
空襲警報が鳴り
防空壕に避難し
非難が解除されると家に帰る時刻です。
大豆を無事に残したトットちゃんは
まだ食べるものがあると
安心して家に帰ります。
残った大豆で寝るまで過ごさなくてはならないのですから。
帰る途中の駅では
キャラメルの自動販売機があるのですが
もう、そこにキャラメルは入っていません。
もしかしたら・・・と思ってみても
やっぱり入っていないのです。
家に近づくと、
家があってママがいて犬のロッキーもいることを
確認すると、
トットちゃんは安心するのでした。
そんな日々が4年も続くのです…
本当につらい、ひどい時代だっただろうなと
私は思います。
その頃の体験をしている人が
まだ生きているということは、
そんなに昔の話ではないのですよね。
安心と言う言葉からはかなりかけ離れた日々を過ごしていて
本当にほっとする時間などなかったのではないかと
思うと、辛いです。
私は、そんな毎日を耐えられそうにありませんが
戦時中は、ただそこにある、いるという当たり前が
当たり前ではなかったという事実を
私は再確認し、
今の日常をもっと大切にして生きていきたいなと思いました。
トットちゃんの15つぶの大豆の感想
戦争の話の絵本はたくさんありますが
このトットちゃんの15つぶのだいずは
大変な様子は伝わってくるのですが、
読後感は
あまり、重い感じになることがなかったです。
私は、小さい子にも
恐怖を植え付けるというのではなく、
今と違って大変なことや辛いことがあったんだろうなと言うことを
伝えるための読み聞かせに良いかなと思いました。
小さいお子さんにも読める絵本だと思います。
あの、戦後最大のベストセラーの
窓際のトットちゃんでも、
戦争がはじまったころのことが
書かれていましたが
窓ぎわのトットちゃんには書かれていなエピソードや
トットちゃんの思いが書かれていました。
きっと黒柳徹子さんの中では
まだまだ、
世に伝えたいと思っていて、
伝えいないこともたくさんあるのでしょうね。
戦争中食料が不足していたということは
知ってはいましたが、
たった15粒のだいずを1日の食料として
それも小学2年生の子が
封筒に入れて、計画的に食べなくてはならない
そんな大変な時代であったことを
私は初めて知りました。
水を飲むと大豆がお腹の中で膨らむから
それで空腹をしのいだなんて…
お母さんも我が子にそれだけしか食べるものをあげられないのは
辛かっただろうなと思います。
私がお母さんの立場だったら
安心して学校にもやれません。
計画的に食べなさい
なんて言われたって
きっとお腹が空いて空いて
目のまえに大豆があったら
今の子どもたちなら、
きっと我慢できずに食べてしまう子がほとんどだろうな。
ふつうに心配することなく家に当たり前に帰って来て
あたたかいご飯を食べ、
それも、好きだ、嫌いだといって食べ残して…
どれだけ今の私たちの生活はありがたいのでしょう。
当たり前の幸せに気付かせてもらえる素敵な絵本だと
私は思います。
小さな子達にも
このトットちゃんの15つぶのだいずなら
戦争のこと、少しは理解できるだろうなと思うので
おすすめです。
8月15日の終戦記念日には
お子さんに読み聞かせてみてはいかがですか?
学校で、戦争教材を国語で扱った時にでも
このトットちゃんの15つぶのだいずを、
読み聞かせをしてあげてほしいなと思いました。
トットちゃんの15粒の大豆のエピソード
黒柳徹子さんは、
1日15つぶのだいずで1日を過ごすよう
お母さんから毎日いった大豆を封筒に入れて
渡されました。
なんつぶあるか
しょっちゅう数えていたそうです。
そりゃ、そうですよね。
お腹だっていつも空腹だったに違いありません。
食べ盛りの小学生
後先考えず食べたくなります。
何粒食べたからいくつ残っているかと
しょっちゅう考えていたので、
15までの数のひきざんが上手になった
と黒柳徹子さんがお話されていました。
今では、笑い話になるのでしょうが…
(と言っても笑える話ではないですよね)
当時は、本当に生きるか死ぬかに関わる問題です。
必死だったことと思います。
学習は楽しみながらやるか
実生活、経験から学ぶことが大切なんだなぁと
強く実感させられるエピソードですよね。
私もできることなら
必要性を感じさせながら
学習をさせてあげられていたかな?
そうだったらよかったなと思います。
トットちゃんの15つぶのだいずの伝えたいこと
トットちゃんの15粒の大豆の伝えたいこと
それは、
戦争の悲惨さと戦争は二度と行ってはいけないということ
これ以外にないでしょう。
黒柳徹子さんも
常に戦争は良くない
もうあんな時代は嫌だと
良く言われています。
戦争を経験した方たちが
どんどん減っていく中
戦争の悲惨さ、悲劇を
わたしたちは忘れないようにしないといけません。
優しい言葉と絵で描かれた絵本ではありますが、
このトットちゃんの15つぶのだいずは、
そんな戦時中のエピソードを
しっかりわたしたちに伝えてくれている絵本だと思います。
トットちゃんの15つぶのだいずの魅力
戦時中のお話ですが、
絵がとても優しく、温かい水彩画で描かれているので
小さなお子さんが見ても
他のお話のように、
辛い、悲しい気持ちにはならないと思います。
トットちゃんの15粒の大豆は、
辛い時代の話ではあるものの
ところどころ、
トットちゃんのかわいらしい笑顔や表情で
私は、ホッとさせられました。
イラストは、
窓ぎわのトットちゃんでも採用されている
いわさきちひろさんの
お孫さんの松本春野さんが描いています。
こんなところにも
なにか、徹子さんのこだわりと言うか
命のつながりを大切にしたいという思いを
私は、感じ取ることができました。
トットちゃんの15つぶのだいずの名言
ねむいし、さむいし、おなかがすいた
トットちゃんの口癖です。
きっと、トットちゃんのことなので
リズムでもつけて
辛いけれど、歌にして歌っていたのかなと思います。
小さな子どもが
じゅうぶんに寝られない、食べられないなんて
本当にかわいそうです。
おとなの犠牲(それも、一部ですよね。)に子どもたちがなるのは、
今後ないことを私は願わずにはいられません。
世界中の国が仲良く
お互い補い合いながら共存していくか
地球という星の一員として
もちつもたれつで生きていくかを
考えていかなくてはならない時代になっているなと
私は強く思います。
家が近づいてくると、
空襲で家は焼けていないか心配になってきます。
家はあるかな?
ママは生きているだろうか?
ロッキーは生きているだろうか?
どきどきしながら目をあけます。
戦争さえなければ
当たり前にあるはずの光景を
毎日毎日学校
心配しながら
帰ってくるトットちゃんの気持ちを思うと
私は、胸が苦しくなります。
きっと、当時の小学生はみんな
家があるかとか、おうちの人は無事かとか
今なら思いもしないようなことを思わないといけない
トットちゃんと同じような気持ちの
子達が多かったのでしょうね。
くり返しになってしまいますが、
やっぱり、今の当たり前の幸せを
大切にしたいと思いました。
トットちゃんの15つぶのだいずの登場人物や出版社など
著者 | 原案 黒柳徹子 文 柏葉幸子 絵 松本春野 |
出版社 | 講談社 |
出版年月日 | 2023年7月24日 |
ページ数 | 32ページ |
定価 | 1760円 |
対象年齢 | 5歳から 一人で読むなら低学年から |
登場人物 | トットちゃん ママ パパ 小林校長先生
校長先生の奥さん |
原案者の黒柳徹子さんについてはこちらで紹介しています。
紹介でも触れていた窓際のトットちゃんについては
こちらで詳しく紹介しています。絵本の紹介もあります。
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