今は、小学2年生の光村図書の国語の教科書にも掲載されている
「ジオジオのかんむり」
1年生の道徳の副読本にも掲載された過去があるんです。
そんな「ジオジオのかんむり」とはどんなお話でしょう。
簡単なあらすじや感想に加えて
読み聞かせ中の問いや
読後の問いなども紹介します。
「ジオジオのかんむり」国語教科書の扱いは?
光村図書出版の2年生の国語の教科書に
令和2年度版から掲載されています。
学習を一通り終えた「ふろく」として
げんこう用紙のつかい方や
本の世界を広げようなど
学習後のまとめのような扱いの最後のページに出てきます。
もしかしたら、
扱われずに終わってしまうかもしれないですね。
それは、ちょっともったいない
教科書に掲載されるほどの絵本なので私は、
一読をお勧めします。
道徳的に考えさせるとしたら?
1年生の文溪堂の副読本に15年くらい前に掲載されていました。
その時の価値項目は「親切」でした。
価値項目とは道徳的価値とは、
よりよく生きるために必要とされるものであり、
人間としての生き方の礎となるものを
分かりやすい言葉で表したものです。
主人公であるライオンと同化しながら、
ジオジオに親切にされた鳥たちだけではなく、
親切な行為をしたジオジオ自身が、
なかまに囲まれ幸福感を味わうことが
できるようになるということに
気付いてくれるといいですね。
他者を思いやることは実は、
自分をも幸せな気持ちにさせることが
できるということに気付き、
実践しようとする気持ちが芽生えるといいですね。
「ジオジオのかんむり」のあらすじ
ライオンの中でも一番強かったジオジオ。
ジオジオの光かんむりを見ると誰でも隠れてしまいます。
しかし、本当はジオジオは、つまらなかったのです。
動物を追いかけるのも嫌になって、
誰かとゆっくり話をしたくなっていました。
少し年をとっていたのです。
そんなとき、灰色の鳥がジオジオに話しかけました。
6つもあったたまごが、他の動物に狙われて
なくなってしまいつまらないと。
ジオジオはしばらく考えて一つの提案を灰色の鳥にします。
最後、
ジオジオは生まれてきたヒナや
小鳥に囲まれているのでした。
さて、ジオジオはどんな提案をしたのでしょう。
そして、どのようにしてヒナは生まれることができたのでしょう?
詳しくは、ぜひ絵本を読んでみてください。
「ジオジオのかんむり」の感想
このお話は色々な視点で考えることができると思います。
子どもに寄り添う感想
一つ目は、道徳でも取り上げられている「親切」からの視点です。
卵をとられ嘆く灰色の鳥の話を聞いて、
自分にできる親切をしようとします。
卵を守るために、卵のことを思ってゆっくり歩いたり、
雨からしのいだり…と
ジオジオは不自由な生活を強いられるようになります。
しかし、その甲斐あって、やがてひなが無事に生まれた。
そして、ジオジオは小鳥たちの声を嬉しそうに聞くという、
親切にする喜びや満足感を感じることができる
お話だなと思います。
また、
「関わってみないと分からない」
ということも読み取れます。
百獣の王のライオン。だれも近づきません。
でも、灰色の小鳥のように関わり合ってみることで、
ジオジオの良さに気付く…
とりあえずのイメージだけで避けるのではなく、
知ろうと思って関わってみると
相手の良さに気付くかもしれないですね。
大人目線での感想
私が年を取ってきたからか、
ジオジオの気持ちがより分かるようになりました。
年を取ったジオジオは獲物を追いかけるのは
つまらないと思っていました。
そして、誰かと話をしたいと思っていた…
私も、どちらかというと若いころは、
自分のことや自分の仕事のことに夢中で突っ走っていました。
周りなんて関係ないと思っていました。
そんな私も、誰かのためになれることがあるのかな
と最近感じる日々です。
そして、ジオジオの最後の場面、
卵からヒナが生まれました。
ジオジオは、目が見えなくなりましたが、
ジオジオの周りをさえずりながら飛んでいるのを
幸せそうな顔をして聞いている。
最初と最後のジオジオの絵の違いに、
穏やかな日常をジオジオは過ごしているように思えてなりません。
私も、周りの人に囲まれて、
そんな穏やかな日常を送りたいなとこの頃は思っています。
当時、ジオジオのかんむりで道徳の授業をしたので
内容をかなり吟味したと思うのですが、
その当時感じなかったことを今の私は、この絵本から感じます。
受け取り方はその時の自分によって色々変わるものですね。
作者岸田衿子さんと絵を手がけた中谷千代子さんの関係は?
岸田さんと中谷さんは学生時代からの友人で、
この「ジオジオのかんむり」が中谷千代子さんの絵本デビュー作で、
その後二人で絵本の仕事をするきっかけになった本だそうです。
このコンビのジオジオの話は3つあるようです。
「ジオジオのかんむり」 「ジオジオのパン屋さん」
「ジオジオの誕生日」です。
どんなお話なのかは、読んでからのお楽しみです。
読んでいる途中や、終わってからの問い
絵本を読みながら
「おや、白髪が生えてきた。目も見えなくなってきた。」と言いました。
どんなことを思っていたかな?
どうしてかんむりの中に生ませてあげたのでしょう。
卵をかんむりの中に入れて育てるって、
どんな風だったんだろうね。
かんむりにいれた卵は7つです!
落とさないように歩く。
雨が降ってきた。
夜どうやって寝るかな?お腹が減った、
エサはどうやってとるかな?
→小さい子だったら、
やらせてみるとイメージがわくでしょう。
そんな中、ジオジオはどんな気持ちで過ごしていたのかな。
読んだ後に
お話のはじめとおわりで、
ジオジオが変わったなと思うところはありますか。
変わったのは、ジオジオだけかな。
知っているライオンとジオジオは同じでしたか?
読み聞かせは読んで終わりも大切だと思いますが時々
こんな風に聞いてみると
子どもが考えていることの意外な発見があるかもしれません。
「ジオジオのかんむり」データ・対象年齢・登場人物など
著者 | 岸田 衿子作 中谷千代子絵 |
出版社 | 福音館書店 |
出版年月日 | 1978年 |
判型・ページ数 | 27×20cm 20ページ |
定価 | 1100円 |
対象年齢 | 読んであげるなら:3才から
自分で読むなら:小学低学年から |
登場人物 | ジオジオ 灰色の鳥 |
小学校2年生で掲載されている本は
こちらで紹介しています。
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