2024年の中学年(3・4年生)向け課題図書、いつかの約束1945。
私は、不思議な読後感をもちました。
ちょっとファンタジーの要素も含みながら
今の子どもたちに戦争を伝えるこんな方法もあるんだなと
感心してしまいました。
登場人物と同じ年代の子たちがこの本を手に取るのでしょうから、
きっと同じ目線で読み進め
今と戦時中を比べていける本棚と思いました。
そんないつかの約束1945のあらすじや感想、
読書感想文を書く時のコツなどをお伝えしていきます。
いつかの約束1945のあらすじ
みくとゆきなは図書館に行く途中、
時計屋さんの前でうずくまっているおばあちゃんに出会います。
どうみてもおばあちゃんなのに
自分は9さいだと言うのです。
認知症なのかと思ったのですが
住んでいる場所も(二人は知らない地名)
関根すずという名前も言うことができます。
おばあちゃんのすがたとすずちゃんの心が入れ替わってしまったと思った
みくとゆきなは、
すずちゃんといっしょに本当の姿を探しに行く
夏のある1日のお話です。
いつかの約束1945の感想
どんなファンタジーだろうと思って読み進めていきました。
1945の夏と言えば終戦。
戦争と関係あるのだろうと思っていたのですが
おばあちゃんは、
当時未来にタイムスリップしていたのでしょうね。
そして、現在のみくとゆきなは
タイムスリップしていたおばあちゃんと会っていた。
すずちゃんは、戦争を必死で生き延びていて
平和な現在を生きる子どもたちに
目のまえのすずちゃんの言動を通して
少しずつ戦争や当時と今の違いなどを
伝えているのだなと思いました。
確かに、当時は自動販売機もないし
この高層ビル群もないし…
戦時中の人から見たら知らないことだらけだし
青い空も鳥のさえずりも当たり前ではなかったのだろうなと気付かされます。
戦争当時のことを今の子目線でとらえると
みくとゆきなちゃんと同じなのだろうなと納得しました。
おばあちゃんと出会ったことで
みくとゆきなちゃんは、戦争についても関心をもったことで
同じ目線で読者に戦争について伝えることができているなと感じました。
新しいアプローチの仕方で面白かったです。
いつかの約束1945の名言や伝えたいことを考察
「もうしないの?」
「するはずないじゃん」
すずが、みくの家のベランダから町を見て
戦争について話していた時の会話です。
するはずがない…
本当に、もう戦争はするはずないと言い切れる
ずっと、そんな世の中だといいなと思います。
「だれが町をこんなにきれいにしたの?」
「いろんな人だよ」
だれかひとりでつくったわけではありません。
戦争で更地になったところから
人々が協力してひとつずつ築き上げ直してくれて今があるのを再確認しました。
自分一人、誰か一人では成しとげられない
過去から今まで続いているものがあるのですよね。
いつかの約束1945の読書感想文を書くコツ
お話について感じたことを書きつつ
自分の経験や日常と照らし合わせながら感想文は書いていくといいので
次のような視点から書いてみたらいかがでしょうか。
①今の平和と戦時中の違いなど考えたこと
日常のありがたさに思いをはせてみる。
②自分のおばあちゃんやおじいちゃんの体験談と関係づけながら
戦争について考えてみる。
最後は、この平和を守り続けるためにしたいことや
平和への思いなどについて書いてまとめるといいですね。
いつかの約束1945の登場人物や出版社、対象年齢など
著者 | 山本悦子作 平澤朋子絵 |
出版社 | 岩崎書店 |
出版年月日 | 2023年6月30日 |
ページ数 | 152ページ |
定価 | 1430円 |
対象年齢 | 中学年から |
登場人物 | すず(おばあちゃん) みく ゆきな お姉ちゃん(すずのひまご)
みくのお母さん 公民館長 |
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