星の王子様は、例え読んだことがなくても
きっと、タイトルはほとんどの人が知っているのではないでしょうか
なにしろ1943年にアメリカで出版されて以来
200以上の国と地域の言葉で翻訳され
世界中で販売部数2億冊以上のロングベストセラーなのですから…
そんなベストセラーなので
どれほど、なのだろうと
中学生だったわたしは星の王子さまを読みました。
しかし、私はというと、まったく理解できない!分からない!
何が言いたい?
なんでこんなに有名なんだろう?と思ったのを最後に、
この本を読むことはありませんでした。
それから、ずいぶんと年月が経ちましたが
このお話が書かれた時代に思いをはせつつ
今読んでみてちょっとつかめた
伝えたいことや魅力、名言などを紹介していきます。
- 星の王子様の作者「サン=テグジュペリ」
- 星の王子さまの簡単なあらすじ
- 星の王子様が廻った6つの星と出会った人と伝えたいことの解釈
- 星の王子さま最初に出会った王様の姿から伝えたかったことは?
- 「星の王子さま」2番目の星のうぬぼれ屋の出会いで伝えたかったことは?
- 「星の王子さま」3番目の星ののんべえとの出会いで伝えたかったことは?
- 「星の王子さま」4番目の実業家の出会いで伝えたかったことは?
- 「星の王子さま」5番目の点灯夫との出会いで伝えたかったことは?
- 「星の王子さま」6番目に会った地理学者の姿から伝えたかったことは?
- それぞれの国の人を統合して解釈する
- 星の王子さまの名言
- 星の王子さまの感想
- 星の王子様の最後の場面の解釈
- 星の王子さまのデータ・対象年齢
星の王子様の作者「サン=テグジュペリ」
サン=テグジュペリは、1900年フランスで生まれました。
飛行士でもあり作家でもあったサン=テグジュペリ。
第二次大戦で戦闘機に乗っていますが
相手国にも作家としてのサン=テグジュペリに信奉者がいて、
サン=テグジュペリの属する舞台とは闘いたくないという兵士も多かったそうです。
サン=テグジュペリが乗った戦闘機を打ったかもしれないとされる
パイロットも、サン=テグジュペリと知っていたら
絶対撃たなかったと話しているそうです。
さて、
星の王子様に出てくる操縦士は
サン=テグジュペリの経験をもとにして書かれているようです。
サン=テグジュペリグジュペリもまた、
ウワバミ画像を丸のみにする作品を描いたそうですが
絵より勉強をしなさいという…
その時の大人たちの態度を見て夢をあきらめてしまったそうです。
今の時代だったら、ちょっと違っていたのかもしれないですね。
せっかく抱いた絵描きになる夢をあきらめたらしいです。
私は、大人としては善意のつもりでも
子ども自身にとっては、否定されたような気持になりかねないなと
サン=テグジュペリグジュペリの話を知り、
考えさせられました。
また、
そんなサン=テグジュペリグジュペリ自身の気持ちも込めながら…
の星の王子様だったのではないかと思いました。
なんと、サン=テグジュペリ自身、飛行中にサハラ砂漠に不時着し
3日後に徒歩で回路に生還した経験を持っているそうです。
まさに、星の王子様の飛行士ですね。
大人になってきてしまっている自分を操縦士に重ねつつ
大人に対して、伝えたい思いがあったのかなと思います。
星の王子さまの簡単なあらすじ
タイトルは、「星の王子さま」で王子様の話がほとんどなのokですが
「ぼく」の視点で話が進みます。
視点が「ぼく」にあるということは、
主人公(中心人物)は、やはりぼくだとおもいます。
ぼくが、飛行機でサハラ砂漠に不時着した翌日
「ひつじの絵を描いて」
というかわいらしい声で起こされました。
その王子さまは、
よその星からやってきたらしいのです。
男の子は、自分からはたくさん質問するのに
まったく「ぼく」の質問には答えてくれません。
なので、「ぼく」の知りたいことが分かるまでには時間がかかります。
くらしていた星のことや
なぜ、自分の星から出てきたのか
そして、どんな星に行き、どんな人に出会ってきたのか。
なぜ、地球にやってきたのか…
そこで見つけたたくさんのバラの話
出会ったきつねのことなどなど…
そして、ついに「ぼく」の飛行機が直り、
王子さまが育てていたバラとけんかして
星を出て来てから1年目となるその日。
王子さまは星に帰ることを決めました。
「ぼく」も助かり、
6年後、王子様と過ごした日々を思い出し
薄れそうになっていた大切なことに気づくのでした。
星の王子様が廻った6つの星と出会った人と伝えたいことの解釈
地球にたどり着くまでに王子さまは6つの星をめぐっています。
そこで、出会った大人は変な大人たち。
王子さまはそれぞれに会って
「大人って、ほんとうにへんだなあ」と思うのです。
では、どんな大人たちについて
「へんだな」と王子様が思ったのか、わたしの解釈をお伝えします。
星の王子さま最初に出会った王様の姿から伝えたかったことは?
王様は、権力によって他人を支配しようとします。
言うことを聞かせようとするのが楽しみです。
しかし、家来も国民もいません。
王様なので権力と威厳を備えていると思っているのですが
実際は何も持っていません。
私は、そんな王様の姿を見て
権力にしがみついているだけの「おとな」って
さみしいし、滑稽だなと思いました。
「星の王子さま」2番目の星のうぬぼれ屋の出会いで伝えたかったことは?
他人はみんな自分のファンで、
誰もが自分をたたえ、ほめちぎるべきだと思っています。
そう認められることで自分を保っているのでしょうね。
でも、他に誰も住んでいないのです。
そして、賞賛、もしくは名声をほしがるだけのおとな。
私は、実がなく、
ただ、賞賛、名声だけを欲しがる大人は、
たとえ、この星にいたのではなくて、
賞賛を言ってくれる他人がいたとしても
最後には一人ぼっちになってしまうのだと思います。
心から賞賛したいと思える人にならない限り
最後には一人ぼっちになってしまうでしょう。
「星の王子さま」3番目の星ののんべえとの出会いで伝えたかったことは?
酒を飲むのは、忘れるため。
恥ずかしさを忘れるために飲んでいます。
その恥ずかしさは
酒ばかり飲んでいることというから
堂々巡りになっていますね。
大人になると、
違う道を模索することもなく
楽な方を受け入れ、
または、仕方ないと思って
過ごしているのかもしれないですね。
私も、面倒なことに考えを巡らせず
過ごせたらどんなに楽かと思うことも多々ありますが、
そういう毎日になってしまったら
刺激も成長もなくなってしまうと思うのです。
最近の世の中は、そんな楽な過ごし方は
良くも悪くも、できなくなりつつあるのかもしれませんが…
「星の王子さま」4番目の実業家の出会いで伝えたかったことは?
計算が得意で
自分の持ち物(宇宙の星)を数えるのに夢中です。
数えるのに忙しく、
夢を見る暇も
話す暇もない…
数えるというか、確認しているのかもしれないですね。
所有物が価値あるものと思っているのだと思います。
また、数字が好き?というのは、
お金を数えることにつながるのかな…
とも思いました。
私は、
物をもっているだけでは
お金をためているだけでは、
他に何の役にも立たないのに…と思いました。
私は、この実業家との出会いで、
自分の所有物だけ増やしても本当の豊かさにはならないことを
伝えたかったのかなとも思います。
「星の王子さま」5番目の点灯夫との出会いで伝えたかったことは?
5番目に訪れた星は、とっても小さな星でした。
命令だからと、
点灯夫は街灯の日を付けたり消したりしていました。
どうやら星の回転が速くなっていて
電灯を付けたり消したりする時間の間隔が
とっても短くなってしまいました。
星は1分で1回転しているのです。
つまり、1分で付け、次の1分で消しているのでした。
休む暇も寝る暇もありません。
でも、命令だからと言って辞めませんでした。
うーん。
私は、働いていた時の自分と重ねてしまいました。
上からの言うことにおかしいと思っても声を出せない。
そんな、おとなの社会を皮肉っているように私は感じました。
おかしいと思っていても何も言い返さない…
そんなところが「おとな」なのかもしれません。
私は、そんなおとなばかりだったら、
世の中進歩していかないよなと思ってしまいました。
ただ、今まであった星の人とちがって
自分以外のことに打ち込んでいたというところを王子さまは認めているようでした。
「星の王子さま」6番目に会った地理学者の姿から伝えたかったことは?
6番目に出会った地理学者は、調べることに夢中で忙しく、
仕事部屋から実際に見に行くという行動はしません。
報告をまとめるだけです。
私は、
聞いただけで、知っていると思う「おとな」を
皮肉ったのかもしれないと思いました。
私は、実際に見て、自分で考えるて感じることの
大切さを伝えたかったのだろうと思います。
この地学者に地球を紹介されて、
王子さまは地球にやってきたのでした。
それぞれの国の人を統合して解釈する
この、それぞれの星の人たちから
私は、
独りよがりだったり、忙しさを理由に
本当のことを確かめたり、知ろうとしていないところが
同じではないかなと思いました。
書かれた時代を思うと、
いけないとか、間違っているとか、おかしいとか
簡単に口に出すことができなかった時代なのかもしれません。
そんな時代背景にも思いをはせると、
違う解釈も生まれてきそうです。
星の王子さまの名言
何度も繰り返し読むと、
あちこちに名言になるものがちりばめられています。
その時感じた、その時必要な言葉が
自分にとっての名言になりそうだなと感じています。
本当は、もっと、もっとたくさんありますが
その中の
いくつかを紹介します。
実際、本を手にして、
あなたにとっての名言を見つけることをおすすめします。
ものごとは心で見なきゃ、
ちゃんと見えない。
大切なことは、
目に見えない。
これは、王子様になついたきつねと別れる時に
きつねが、
そして、「ぼく」が王子様と別れる時に
王子様が「ぼく」に伝えた言葉です。
大切なことは表面ではなく、
内面だったり過ごした時間だったり…
目に見えない部分にこそ大切なことが隠されていますね。
内側を見る目を持ち続けていたいです。
私は、この難解な星の王子様を読んで
誰の心にも刺さるのはこの言葉ではないかと思っています。
きみがおいらをなつかせたら、
おいらたち、
おたがいが必要になる。
おいらにとってきみは、
世界でたったひとりのとくべつなそんざいになる。
きみにとって、おいらは、たった一匹の特別な存在になる。
特別な存在というのは、
心が通い合うためには、
時間をかけてだんだんと
自然にそうなってくるものなんだと
再確認させてくれます。
私も、成果を、結果を急ぐ前に
その費やした時間を大切に感じたいと思いました。
どんなことにも、
百点満点っていうのはないんだなあ
ついつい、百点満点を望んでしまいますが
それは、ありえないんだよって言ってくれているようで
この言葉を読んで、私は、少し心が軽くなりました。
なつかせたものしか、ちゃんと知ることはできないんだぞ。
人間にはもう、ものごとを知る余裕なんてない。
(中略)
だから人間はもう、友だちなんてもてないんだ。
人間というか、
おとなになってしまった人に対して
合理的に、時間に追われることなく
時間をかけるべきことに
しっかり時間を使って
大切なものを失わないように!
と、警鐘を投げかけてくれています。
私も、ものごとを知る余裕なんてない。
と言われて、確かにそんな風にじっくり
ものごとを感じたり考えたりすることなく
この数十年は過ごしてしまった気がして
心が痛くなりました。
余裕が少し生まれてきている今だからこそ
大切にしたい言葉だなと私は思いました。
星の王子さまの感想
物語全体が
伏線になっていて、
そして、生き方や人との関り
物と後のとらえ方の示唆に富んでいるというのを
読み直して感じました。
中学で読んだ私には、
星の王子様の物語の、一部の言葉しか分からなかったので
全体のつながりや、
大切さには気付くことができませんでした。
それが、私が星の王子様を読んで
いまいち、良く分からない物語ということになっていたのだと思います。
おとなについて
友達、大切なもの
生きる上での大切なこと
そんなことを教えてくれる
ふたたび深掘りさせてくれる物語でした。
星の王子様の最後の場面の解釈
王子さまは、ヘビにかまれて
命を落としたのか、
それとも肉体は倒れても
(でも、次の日は無くなっていたのですが)
思い(魂)は、自分の星に戻れたのか…
目では見えない大切なものが
王子さまの選んだ行動につながったのかなと思います。
できることなら、
王子様の星に戻ってバラと笑っていられるといいのにな。
6年後の「ぼく」が言っている言葉
バラの花を食べたのか、食べなかったのか、
そのどちらかで、
世界がなにもかも変わって見えるんだからね…
という文章から
自分の考え方しだいで
物事のとらえ方は変わる
ということも伝えてくれます。
私は、物語全体を通して、
物の裏と表(見えていることと見えていないこと)
両面を考える大切さを教えてもらったような気がします。
星の王子さまのデータ・対象年齢
※星の王子さまは現在、色々な出版社から出版されています。
訳も訳者によって、
違いもあると思うので読み比べるのも楽しそうです。
解釈の違いが見つかるかもしれないですね。
そこで、
今回は子ども向け絵本として出版されている2冊の本を紹介します。
絵本で出会う 星の王子さま
絵本で出会う 星の王子さまは、パイロットとのやりとりや、
地球に来るまでの星の住人とのやりとりなどが省略され、
小さい子に分かりやすいようになっています。
小さなお友達も「星の王子さま」に出会えるよう
工藤直子さんが訳されました。
絵本の存在を知らなかったのですが、
次に読み聞かせをする機会があったら
読んで反応を見てみたいと思いました。
著者 | 原作 サン・テグジュペリ 訳 工藤直子 |
出版社 | ひさかたチャイルド |
出版年月日 | 2015年11月1日 |
ページ数 | 24ページ |
定価 | 1320円 |
対象年齢 | 3・4・5歳から |
登場人物 | 王子様 きつね |
絵本 星の王子さま
著者 | 著 サン・テグジュペリ 翻訳 池澤夏樹 |
出版社 | 集英社 |
出版年月日 | 2006年10月26日 |
ページ数 | 72ページ |
定価 | 1870円 |
対象年齢 | 5歳から |
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