言わずと知れた大ベストセラー、
知らない人はいないのではないかと思える
葉っぱのフレディ。
編集者の田中和雄さんからのメッセージには
自分の力で「考える」ことを始めた子どもたちと
子どもの心をもった大人たちに送ります。
と書かれています。
人生、生きることや死について考えさせられました。
そんな葉っぱのフレディのわたしなりに考えた
伝えたいことや名言
最後についての考察もお伝えしていきます。
「葉っぱのフレディ」の簡単なあらすじ
主人公のフレディは
大きな木の梢に近い、太い枝に生まれました。
踊る練習をしたり、日光浴をしたりして
周りにいる仲間とともに成長しました。
みな、自分と同じ形をしていると思っていたのですが、
同じ葉っぱはいないことにも気付きました。
親友のダニエルは、物知りで
フレディが気の葉だということ、
木の根っこには地面の下で四方にはって、
だから木は倒れないこと
公園のことや小鳥たち、
めぐる季節のことなど
多くのことをフレディに、教えました。
夏を存分に楽しみ、
仕事もして満足に過ごしました。
やがて秋になり
フレディは赤と青と金色の三色に葉の色が変わりました。
やがて風に吹かれて
葉っぱが落ちていきます。
そして、
木からいなくなることを知らされ
不安になるのですが…
最後、一人になってしまったフレディが
枝を離れたときに感じたことは…
「葉っぱのフレディ」の名言
葉っぱはどれも自分と同じ形をしていると思っていましたが
やがて ひとつとして 同じ葉っぱはないことに
気がつきました。
人間にも、
他の生き物すべてにもつながる話ですよね。
人間としてのくくりは一緒でも
顔はもちろん違うのですが、
例え、顔がが本当に同じだとしても
その人の見方や考え方、
受け取り方は
人それぞれですよね。
個性を大切にしたいですね。
大切にすることで、
みんなが優しくなれると信じています。
楽しい夏はかけ足で通り過ぎていきました。
フレディの一年は、
夏が最盛期だったのかなと思います。
人間で言ったら
働き盛りの頃?
自分で自由に色々考えて
責任をもって行動できる頃。
わたしだったら子育て中かな。
必死で働いて
楽しく子育てして…
そんな楽しい時は振り返るとかけ足で過ぎてしまいました。
あっという間に
楽しい季節は過ぎていくことを示しているようです。
その時、その時を大事に丁寧に過ごしたいです。
生まれた時は同じ色でも
いる場所が違えば
太陽に向く角度がちがう。
風の通り具合もちがう。
月の光 星明かり 一日の気温
何一つ同じ経験はないんだ。
だから紅葉するときは
みんなちがう色に変わってしまうのさ。
例え同じ家に生まれても、
全く同じ経験をすることはないですね。
だから、みんな違う個性を発揮するようになる。
それぞれが、
それぞれに合った素敵な色に変化できるといいなと思います。
まだ経験したことのないことはこわいと思うものだ。
でも考えてごらん。
世界は変化し続けているんだ。
変化しないものは一つもないんだよ。
これは、死だけではないですね。
人生のほとんどは経験したことのないことの繰り返し。
中学、高校、大学…
社会人での仕事
結婚、子育て…などなど。
変化や成長を続けて人生を過ごしているんだな
と再確認しました。
もちろん、経験は重ねて行ってはいますが、
それでもなお、未経験のものに挑んでいきます。
まさに、今の世の中のような…
つねに、変化をワクワクしながら立ち向かいたいですね。
確かに最後の最後に経験するのが
死です。
みんな、それに向かっているのは
どんな人にでも平等に与えられていることですね。
死ですら変化の一部。
確かにそうだなと納得してしまいました。
ぼくらは春から冬までの間
ほんとうによく働いたし
よく遊んだね。
(中略)
それはどんなに 楽しかったことだろう。
それはどんなに 幸せだったことだろう。
フレディがダニエルに
生まれてきてよかったのかと問うた時に
返ってきた言葉です。
それぞれの一生には
周りに関わってくれるもの、人もいれば
自分の役割がある。
それは、楽しいことで、
幸せなことだと言っているのだと思います。
悩んだり、苦しい時もありますが
それが、その人の一生。
生まれてきた意味であり
関わった人がいることが生きている意味なのだと感じました。
このお話の最後にもつながりますが
そうやって、命をつないでいっているのだろうなと思います。
「葉っぱのフレディ」の感想
アメリカの著名な哲学者である
レオ・パスカーリア博士が書いたのは、
生涯で1冊だけこの「葉っぱのフレディ」の絵本だそうです。
今回葉っぱのフレディを読んでみて
わたしは、読んだことがあったはずだったのですが
自信がなくなりました。
こんなにも
たくさんの
人生を送るのに必要なフレーズがちりばめられていたのに
それを、全く覚えていなかったからです。
どのページを切り取ってみても、
生きていくのに大切な死生観がちりばめられています。
自分が、そういうことを感じられる年になったからか
はたまた、小さいころと感じ方が変わったからなのか…
大切な人を亡くして
悲しみに暮れてしまったとき、
生きることに疑問をもった時
読み返してみたい本です。
「葉っぱのフレディ」最後についての解釈
最後まで幹についていたフレディ。
経験したことのない死について不安もありましたが
最後の最後は痛くも怖くもなく、
それを受け入れているようでした。
春が来ると枯葉のフレディーは水に溶け込み、
木を育てる力になるのですね。
自然の物は、循環して
命をつないでいるのですよね。
自然のその偉大な循環を
人間の利便性、発展によって
なくしてはいけないとも思いました。
地球環境が問題になって久しいですが
自分たち、自分たちの国、人間だけでなく、
本当に全部の
命の循環を大切にしないと
葉っぱのフレディは伝えてくれている気がします。
わたしたちも、
本来は生き物。
自然の営みの中で
子どもを産み育て
子孫を残して
命をつないでいる。
例え、自分の命がなくなっても
次の世代にバトンをつないでいるのですね。
そう考えると、
今ある自分の命も、
目の前にあるどんな命も大切にしたいと思います。
「葉っぱのフレディ」のデータ・対象年齢
著者 | レオ・バスカーリア作 みらい なな訳 |
出版社 | 童話屋 |
出版年月日 | 1998年10月22日 |
ページ数 | 27ページ |
定価 | 1650円 |
対象年齢 | 6・7歳以上 大人 |
登場人物 | フレディ ダニエル |
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