原題は、The Missing piece は、シェル・シルヴァスタイン作の名作です。
おおきな木も有名ですが
このぼくを探しには、
読むたびごとに、
その時々の置かれている状況によっても色々な解釈ができるお話です。
だめな人と
だめでない人のために
と書かれている
深い絵本「ぼくを探しに」の
伝えたいことをあれこれ解釈してみました。
また、名言や魅力、あらすじや感想も紹介していきます。
ぼくを探しにのあらすじ
あらすじを書いてしまったら、
なんだかもったいない気がしてしまうので
本を読んだ方が絶対いい!と思いますが、
取り急ぎ内容を知りたいという方へ。
何かがたりないから楽しくないと思って
そのたりないものを探しに行きます。
ころがりながらうたいながら探しに行きます。
色々な天気の日も探しに行きます。
速くはころがれないので
色々なところで立ち止まったり、あそんだり。
色々なところを通りながらかけらを探しに行きます。
なかなかぴったりのかけらに出会えませんでした。
いろいろなかけらに出会い、
いろいろなハプニングに会いながら
ついに、ぴったりのかけらを見つけることができました。
しかし、やっとぴったりのかけらをひろい
完璧な形になったのに…
前よりずっと速く転がれるようになったのに…
スムーズに転がれるので
立ち止まることができない。
寄り道もできない。
一人で突き進むだけ…
さいごにぼくはあることに気付き…
ぼくを探しにの感想
自分がどんな時に、
どんな年齢で読んだかなど
読む時期によって感じ方が変わる絵本だなぁと思いました。
ずっと手元に置いて、
時々読み返したい本です。
この絵本、人生そのものだなぁって感じています。
別のものに例えているけれど(と勝手に私が思っているのですが)
まさに、人生に置き換えると
いい時もあれば、
苦しい時もあり、
普通の時もあり
そんな日々を過ごしながら
自分に何かを手に入れたくて
人生を歩んでいるんだなぁって思いました。
学生の時に読んだら、
後半部分は、まだそこまで深く思いをはせることができないのかもとか
感じました。
色々生きてきたおとなにこそ
心に響く絵本ではないかと思いました。
ぼくを探しにの伝えたいことについてを解釈
人生そのもの
人生は、常に自分にないもの
これが欲しい!こんなことをしたいと思いながら
「自分なりのよい」「こうありたい」
をみつけて旅するものなのかもしれません。
そして、それが見つかって
身に付いて、
一時は満足するのかもしれないけれど
また、新しい何かを求めて旅に出る。
新しい何かを探す過程は
大変だけれど
楽しいくて、
どんな新しい自分に会えるのか
ワクワクしながら進んでいる。
まさに、人生そのものだと感じました。
急がなくてもいいんだよ。
無駄と思えることも大切だよ。
ふと立ち止まって
花を見たり
隣に歩いている仲間と話をしたり
急がなくても
日常に
ふとした瞬間に
幸せや楽しさがあるんだよ。
周りを見る余裕だって
人と話すゆとりだって
そういうものすべてが
わたしたちに必要なんだよって
教えてくれている気がします。
完璧じゃなくてもいいんだよ。
完璧になったからと言って
それが幸せとは限らない。
足りないものがあるからこそ
気付けることもあるんだよ。
そんなことを教えてくれています。
年をとってくると、
そういう足りない自分も認めつつ
自分の生き方を楽しめるようになってくるのかなと
期待してしまいます。
かけらを探している過程が楽しい!
何かが足りない
それでぼくは楽しくない
といって、
足りないかけらを探しに行き始めた僕ですが
探している間は
ワクワクが伝わってくるほど楽しそう。
その過程を焦らず楽しみたいと思いました。
何かが足りないと思っていても
実は、幸せ。
逆に、完璧と思っていても
見えていない部分があるのかもしれない。
経験しないと分からないことってたくさんありそうですね!
ぼくを探しにの名言
名言も色々なところにちりばめられています!
ぼくはきみのかけらじゃないからね
だれのかけらでもないからね
ぼくはぼく
どんな小さなかけらでも
何かの一部であっても
自分は自分であなたのものではない
どんなに小さくても
しっかり自分をもっている強さを感じました。
ぴったりの
かけらを見つけたと
思ったのもつかのまで
しっかりはめておかなかったので
落としてしまった
きつく
くわえすぎたら
こわれてしまった
自己があるものを
一緒に取り込もうとすると
自分の一部にしようとすると
やっぱり、無理が出るんじゃぁないかな?
例え一緒にいられるとしても
個は個
自分とは別のものとして
自分勝手に行動してはいけないと
改めて思わされる部分です。
自分の子どもだったり
パートナーだったり…
相手を一人の個人として
相手を大切にして
関わりたいものです。
なるほど
つまりそういうわけだったのか
ここをみなさんならどう解釈されるのでしょうか?
なにをぼくは、分かったのかな?
色々探して、
やっと出会って、
そして、歩き出して…
でも、不完全を選んだ理由って…
ぼくを探しにの魅力
自分でも描けるのではないかと思えるほど
シンプルな絵。
でも、シンプルだからこそ
イメージや想像を膨らませることができます。
空白、余白を自由に感じ、
膨らませることができる作品です。
作者の手を離れたら
作品の解釈は読み手にゆだねられますが
ぼくを探しには、
そのゆだねられる範囲が広い
そんなふうに、
色々な解釈ができる作品だと思います。
その時々の自分にあった
置かれている自分の立ち位置にあった
解釈できるのではないかなと思います。
だから、なおさらずっと自分のそばに置いておきたい
そんな一冊です。
あえて付け加えさせてもらえるなら…
個人的に一押しは
「ぼく」の完成形が丸というのが秀逸だと思うのですが
いかがですか。
円にしたことで、
円ができることとできないことが
視覚的にも分かりやすい。
子どもでも手に取れるものになっていると思います。
ぼくをさがしにの登場人物や出版社など
著者 | シェル・シルヴァスタイン作・絵 倉橋由美子訳 |
出版社 | 講談社 |
出版年月日 | 1979 年4月12日 |
ページ数 | 105ページ |
定価 | 1650円 |
対象年齢 | 6歳から |
登場人物 | ぼく かけら |
シルヴァスタインの他の絵本「おおきな木」の
詳しい内容はこちらでごらんください。
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