意に反してしまう出来事が起こっても
大丈夫!と思えるいいからいいから。
正義感が強すぎて、
少しでも間違ったことをしている友達が許せないという子に向けて、
読み聞かせをしていた絵本がいいからいいからです。
話の内容もおもしろく、
最後に意外な結末が待っていてくすっと笑ってしまうので
どの子もこの「いいからいいから」は大好きでした。
子どもだけでなく、
忙しすぎて、日々ピリピリしてしまっているおとなにもおすすめしたい絵本です。
読み終わると、もっとゆっくりしたおおらかな気持ちで出来事を受け止めたいなと
ほっこりする気持ちにさせてくれる絵本です。
そんないいからいいからの本のねらいや伝えたいこと、内容や魅力などを
紹介していきます。
いいからいいからのあらすじや内容
ある日、かみなりが鳴ったあと、
かみなりの親子が目の前にあらわれました。
それをみて、おじいちゃんは
「いいから、いいから。ゆっくりしてください。」
と言うので、ぼくも
ごゆっくりと言いました。
ごはんも出し、お風呂にも一緒に入り、
きがえまで貸そうとしますが
かみなりの親子は、あわてて帰っていきました。
次の日、おじいちゃんとぼくのおへそがなくなってしまいました。
それでもおじいちゃんはわらいながら
「いいから、いいから。」
そこに、ゆうびんやさんが切手をはっていない手紙を配達してくれました。
もちろん、郵便料金をおじいちゃんがはらいます。
それでも、おじいちゃんは、
「いいから、いいから」
その手紙の内容は?
そして、なくなったおへそはどうなってしまうのでしょう?
いいからいいからのねらいや伝えたいこと
どんなに不足の事態が発生しても
このおじいさんは、いつも
「いいから、いいから」
と笑顔で対応しています。
つられて、周りのぼくやお母さんの表情もいつも笑顔です。
おじいちゃんの困難を受容する柔軟性が素敵だと思います。
子どもは、自分の正当性を主張します。
いい子でありたいと思えば思うほど、
他の子のちょっとした違いが許せないこともあります。
そんな正義感の強い子のいも
「いいからいいから。」
を読んだ後に
「いいからいいから。」
と伝えると、ふっと力が抜けて
やさしく教えてあげる姿が見られます。
きっと、受容することの大切さ優しさが伝わるのだと思います。
作者の長谷川義文さんもそんなことをねらって
この絵本を作ったのではないでしょうか。
わたしたち大人には
どんなことがあっても
すぐに感情をあらわにするのではなく
まずは、ものごとを受け止めよう。
ということを伝えてくれているのではないかと思います。
私も、思い通りにならないと焦ったり
人に強く当たったりすることがあるのですが
この「いいからいいから」という言葉や
おじいちゃんの様子を思い浮かべると
この負の力が弱まるのを感じます。
魔法の言葉「いいからいいから。」
伝えたいことでも書きましたが
「いいからいいから。」
とまずは心の中で言ってみると
怒りや不安な感情が和らいでいく気が私は、します。
この「いいからいいから」を発していると
争いがなくなりそうです。
いいからいいからの魅力
いいからいいからの魅力①いいからいいからの繰り返し
おじいちゃんの
「いいからいいから」
の言葉が繰り返される場面が光っています。
良いタイミングで繰り返されていて
心地よいリズムも生み出しています。
おじいちゃんが
「いいからいいから」
を言いそう。また言った。
と子どもたちも期待感をもって読み進めたり、
聞いたりできるところが秀逸です。
いいからいいからの魅力②おもしろすぎる結末とつらぬかれる「いいからいいから」
想像もしない出来事が起こることに
また子どもたちの笑い声が聞こえてきます。
そして、最後の最後まで「いいからいいから」が貫き通されています。
また、最後のページには次への布石もあるのです。
まさに、最後の最後まで目が離せません。
いいからいいからの魅力③日常とフィクションとの融合
お客さんが来るということは
子どもたちにとって日常にある出来事です。
(頻繁ということではないですが…)
おもてなしをすることも簡単に理解できます。
ただ、やってくるのは雷というフィクションのこと。
それがうまくマッチしていているので
話を理解しながら、お話の世界に入っていきやすいのだと思います。
いいからいいからの登場人物や出版社、対象年齢など
著者 | 長谷川義史 作 |
出版社 | 絵本館 |
出版年月日 | 2006 年10月 |
ページ数 | 24ページ |
定価 | 1430円 |
対象年齢 | 3歳以上 |
登場人物 | おじいちゃん ぼく 雷の親子 ゆうびんやさん |
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