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サーカスのライオンの悲しい結末の解釈、あらすじや感想、名言も紹介!教科書にも掲載!!

教科書

小学校3年生、東京書籍の国語の教科書に長年掲載されている「サーカスのライオン」

令和6年度の国語の教科書にも引き続き掲載されます。

ストーリーがしっかり考えられていて

児童文学と言ってもよい、考えさせられる絵本だと思います。

そんな絵本の魅力や名言もお伝えしていきます。

悲しい結末ではありますが

そんな結末の解釈なども紹介しようと思います。

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「サーカスのライオン」のあらすじ

町はずれのひろばにサーカスがやってきた。

そこにいた一頭のライオン

「じんざ」は、年を取っていた。

だから、出番以外は

1日じゅうねむっていた。

その時は、若いころのアフリカで

走っている夢をみていた。

出番がくると

じんざは、立ち上がり

火のわくぐりを何回となく繰り返す。

毎日同じことを繰り返し、

年を取っていき、

元気もなくなる。

元気がなかったと

サーカス団のおじさんが変わってやるから

散歩でもしておいでといった。

そこで、ライオンは、

服を着て、マスクをかけ、くつをはいて

手袋も付けて出かけた。

外を楽しんでいえるじんざに

一人の男の子が声をかけてきた。

その子は、サーカスのライオンが好きだという。

好きなのに昼間サーカスを見た時に元気がなかったから

お見舞いにきたんだと話した。

夜も遅いので、男の子の家までおくった。

道中、男の子は家庭のことを

じんざは、サーカスの話をした。

次の日から

男の子は毎日チョコレートをもってきて渡した。

そして、お母さんの話をした。

じんざも、それを楽しみにねむらずにまっていた。

サーカスが明日で終わるという日に

お母さんが退院する話とともに、

お金がたまったからサーカスに来ると話して帰っていったのですが…

その夜、サイレンが聞こえ、

火事の方を見ると…

「サーカスのライオン」の感想

確か、東京書籍の教科書は使ったことがあったので

一度くらい授業で扱ったことがあったのだと思います。

でも、余り記憶に残っていなかったこのお話。

今回読んでみて、

定年前?のおとなだからこそ

考えることができる絵本ではないかと

思いました。

日々あくせくして

ルーティンのように働き

仕事をこなしている日々に

なんとなく疲れていた自分と

じんざが重なりました。

人に喜ばれる

期待されるって

こんなにも強い力をうちに秘めることができるのかと思えました。

だからこそ、

自分の力を振り絞って

じんざは男の子を助けたのかなと思います。

確かに、私も

子どもを育てている時は、

自分の子どもたちがわたしを頼って来てくれて…

先生をやっていても

日々埋没しそうになっても

やっぱり、子どもたちが

楽しそうに自分の話をしているのを聞いたり

「先生がいい。」

と言ってくれる

そんな期待が仕事をする原動力になっていたのかなと思いました。

だから、体力がなくなってきたのを自覚しながらも

仕事が続けられたのかと思います。

「サーカスのライオン」の名言

やがて、

人びとのまえに、

ひとかたまりのほのおがまいあがった。

そして、ほのおは みるみる ライオンの かたちになって、

空高く駆け上がった。

ぴかぴかにかがやくじんざだった。

(中略)

金色にひかるライオンは、空を走り、

たちまちくらやみの中にきえさった。

年老いたじんざが

最後の最後に若かった頃の姿

それ以上の姿となって天に消えていったという

力強さ、切なさを感じます。

でも、じんざにとって、

何もなく命のともしびが小さくなるのをまつよりも

こんな風に、

最後の人生の力をふりしぼり

駆け抜けていかれて幸せだったのかもしれないですね。

「サーカスのライオン」最後についての解釈

思いやりや自己犠牲という

とらえかたをもしかしたら子どもたちの多くはしてしまうかもしれません。

しかし、もっと深いところにこのお話の伝えたいことがあると思います。

 

狭いおりに入れられ

毎日変化なく

同じことを繰り返し

ただ、ただ、年を取っていくだけの毎日に

ちょっとした変化をもたらしてくれた男の子。

その子の存在がじんざの毎日を変えてくれたことは

確かでしょう。

半ば、あきらめていることがあったのだと思います。

アフリカを風のように走っている夢を

いつも見ていたと書いてありますよね。

年を取って、走るのをあきらめたのか?

自由になることをあきらめたのか?そんなことを感じます。

そんなあきらめかけていた時に

自分の芸を楽しみにしてくれている人、

自分を一人でも気づかって思ってくれる人

向き合ってくれる人がいることが

大きなやりがいや楽しみを生み出してくれることにつながることを教えてくれます。

若いころのような力を思い出したのかもしれません。

また、そんな生きがいを思い出させてくれた、

与えてくれた男の子だったから、

火事と知り、助けに行ったのでしょう。

日に慣れているから救い出せると思ったのでしょう。

男の子がいてくれることが何よりの励みになったのだと思います。

じんざにとってかけがえのない存在なのでしょう。

かけがえのない存在がいることは

命にも代えがたいものですね。

 

これは、なかなか、子どもには難しい解釈になるかもしれません。

でも、その時その時に読者が

感じたり、受け取ったことことで

文学作品はよいとおもうので、

無理に考えを押し付ける必要はないですね。

子どもが、おとなになって

また、この作品に出合って

何を思うか、その変化を聞いてみたいものです。

 

最後の場面で

ライオンがいない火の輪くぐりを

やっているおじさん

ライオンがいないのに拍手をする観客

ここを描くことで

さらに、

みんなのライオンに対する気持ちと

ライオンがいなくなってしまった切なさや、悲しさが

静かに伝わってきてより際立ちます。

この最後の1ページ、秀逸だと私は思います。

「サーカスのライオン」のデータ・対象年齢

著者 かわむらたかし さく  さいとうひろゆき え
出版社 ポプラ社
出版年月日 1972/11/1
判型・ページ数 35ページ
定価 1925円(税込み)
対象年齢 3歳、4歳、5歳
登場人物 ライオン(じんざ) おじさん 男の子 消防士 町の人


対象年齢は、ポプラ社では3歳、4歳、5歳とあります

しかし、おとなでも充分に読み応えのあるお話です。

教科書では3年生として扱われているので

読解できるのはこれくらいが適切なのかもしれません。

絵本「サーカスのライオン」読み終わった後に

色々、考えさせられるお話なので

思いついたことを聞いてみるのもいいと思います。

わたしはこんなことを聞いてみたいなと思うものを紹介します。

①男の子に会う前と後のじんざの変化。

②なぜ、じんざは男の子がお母さんの退院のほうこくに来て、

サーカスに来るといった時

「若いときのように日の輪を五つくぐりぬけてやろう」と決意したのかな。

③じんざは死ぬと思っていたかな?

 

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